一人ゲイバーデビュー

今年の目標の一つに「一人で(ゲイ)バーに行くこと」を挙げていた。しかし、一人でゲイバーに行くことはなかなか勇気のいることである。

 

自分の中のイメージでは、第一に、ゲイバーは排他的である。常連が幅を利かせ、新参物が入って来るとよほどのイケメンでなければ話しかけてもらえない(あくまで脳の中のイメージです)。

 

また、ゲイバーという空間は必然的に自分が性的対象として評価されるような気がしてしまい、自分が思う完璧な状態の自分でなければ居心地が悪い。自意識過剰である。

 

逆を言えば、自分が求めているのは、気軽に話しかけてくれ、ゲイ以外も来るバー。つまり出会い目的ではないバーだ。まあ、ほとんどのバーは出会い目的ではないとは思うが。

 

そんなバーあるのだろうか、と思っていたところ、ふとしたことで気になるバーが見つかった。しばらくの間気にはなりつつもなかなか足が向かなかったのだが、恋人が不在で手持ち無沙汰な夜、意を決して行ってみた。時々このような勇気が出る夜がある。

 

店の前にも到着したものの、ここからが問題である。ゲイバーというのはたいていの場合、中の様子が外から見えない。よってお店の中にどのくらいの人がいるか見当がつかない。入ってみて席があいていなかったらどうしよう、、、ごめんない。といって出るべきか、、などと考えてしまうのである。結局お店の前で10分ほど逡巡した後、ここで入らなければ何も変わらない!という強い想いで扉を開けた。

 

中にいたのは女性数名と韓国人のゲイの子だった。最初は緊張しつつも、お店の人が適度に話しかけてくれた。自分から行動を起こさなければと思い、隣の女性に話かけたりして、しばらくたつと居心地のよい空間になっていた。このお店は年代、セクシャリティを問わずさまざまな人たちがくるお店だった。帰るころにはとても楽しくなっていて、翌日もなんだか楽しい気分で過ごせたのであった。

 

自分はゲイバーに何を求めていたのだろう。おそらく、頭の片隅にはちやほやされたいという思いもあるのだろう。しかし、目的はもっと別のところにある気がする。単にお酒を飲むのであれば恋人とも、友人とも飲めるはずである。でも、やはり心の中には、色々な人と知り合いたいという思いがあるのだと思う。色々な人と知り合うには、別にゲイが集まる場所に限定する必要はないだろう。でもたいていの場所においてはやはり人と会う時にゲイということをまず隠してしまう自分。そのまま隠していくのは結構面倒。できるものなら最初からゲイってことをおおっぴらに、何一つ隠さずに人と接したいなと思う。それが自然にできる人もいるのだろうけど。その点、ゲイバーは最初からセクシャリティを隠す必要がない。

 

その後、そのバーにはもう1回行った。今更ながら、できることならいろいろな人とあって、いろいろな考え方を知っていきたいなあと最近考えている。33歳が言うことじゃないかな。笑